08
2月
チベット暦新年を迎えるにあたり、まずサン供養を執り行い新年を迎える伝統があります。
チベットでは自分が住む土地の山々などの自然に宿る神々を守護神として祀る習慣があり、新年ではまず初めにサンを焚きその神々へ供養をします。サン供養は元々チベットに仏教が伝来する前から行われていたそうですが、グル・リンポチェがチベットに仏教を伝えた際に仏教に基づいたサン供養次第となりました。
サン供養のため前日から準備をします:ヒノキの葉、大麦を煎ったもの、薄いパン、ツァンパ、バター、チュラ、砂糖を混ぜたものと、お茶、チャン(お酒)を供物にします。木で槍や剣や矢などを作り、そこにルンタ(宝珠を乗せた馬のまわりに経文が書かれた祈りの旗)掲げます。それを大晦日に作り、星の下に一晩おきお清めをします。
新年の朝一に一家の男性が身体を浄め、新しい服を着て屋根裏でサン供養を執り行います。ヒノキの葉を焚き、準備した供物を入れ、神々に対し昨年の感謝と新年の願いを伝えます。
その後、村の人が集まる集会場に出向き、村人一同が作った剣や槍などをラツェに刺しサン供養をします。村人たちが準備してきた供物を火中に投じ、大声で神に祈願をします。サンが焚かれた火の回りを皆で三回右回りにまわり、家に帰り新年の食事をし新たな年を迎えるのが通年の習慣となっています。